フェアバンクス日記 11月のアラスカについて
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1996年11月16日(木)
朝9時30分。
ようやく南東の地平線が茜色に染まりはじめる。
毎日確実に7分ずつ日照時間が減っていき、白夜の夏が遠い昔の風景となる。
今は6時間しか日が照らず、アラスカの人々はシーゾナル・アフェクティング・ディスオーダー Seasonal Afecting Disorder を防ごうと、ジムへ繰り出す。
このディスオーダーというのは、日照時間が極端に減ることによって、体内時計が狂ってしまい、やたらと食べたくなったり、イライラしたり、眠くなったりする症状のことだ。メラトニンという、眠くならせるホルモンは、太陽の光に刺激されて減ったり増えたりするのだけれど、いつまでたっても薄らぼんやりと弱々しい日光では、十分な刺激とはならないから、昼間でもメラトニンの体内の量が減らず、いつも眠たくってボーっとしてしまうのだそうな。
人によっては、イライラがひどくなって、大声でわめいたり、ついにはショットガンをぶっ放して、人をも身をも殺してしまうことがあるのだと。
これを防ぐには、十分な光量を一日に何分か浴びることが一番で、そのための電灯が2000ドル程で販売されているのだと。
そんな話が大学でレクチャーされた。
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